香水の基礎

香水の系統(香調)一覧|フローラル・シトラス・シプレ・フゼアなどの違いと代表的な香水

更新 6本を紹介

白い紙の上に並べた、黄色いバラやデルフィニウムなど色とりどりの花
Photo: Jennifer Kalenberg / Unsplash(Unsplash License)

この記事の香りの傾向

  • ウッドの落ち着き
  • 温かみのある奥行き
  • 花の香り
  • 柑橘のさわやかさ

香水の系統(香調)とは、香りのタイプによる分け方のことです。日本フレグランス協会の分類では、主な系統はシトラス・フローラル・オリエンタル・シプレ・フゼアの5つで、ほかにグリーン・フルーティー・アクアティック・パウダリック・スパイシー・ウッディがあります。

この記事では、11の系統の特徴を早見表にまとめ、NAGORIKAに載っている香水377本を系統ごとに数えた結果と、系統ごとの代表的な香水を紹介します。好きな香水の系統が分かると、次の1本を探しやすくなります。

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香水の系統(香調)とは?

系統は、香水を「どんな香りか」でグループに分けたものです。香料会社や化粧品メーカーによって分け方はさまざまで、日本フレグランス協会は、ドイツの香料会社シムライズの分類(Olfactive Family=香調)を参考に、日本向けに整理しています。

1本の香水が、1つの系統だけに入るとは限りません。たとえば「フローラル・ウッディ」のように、花の香りに木の香りを重ねた香水は、2つの系統にまたがります。商品ページで「フローラル系」「シプレ系」と書かれていたら、その香水のいちばん大きな特徴だと考えると分かりやすくなります。

香水の系統一覧(早見表)

系統の名前と説明は日本フレグランス協会の分類による。香料は代表的な例
系統どんな香りかよく使われる香料例になる香水
シトラスレモンやオレンジなど、柑橘のさわやかな香り。性別を問わず使いやすいレモン、ベルガモット、オレンジイソップ タシット
フローラル花の香料を中心にした香り。特定の花をテーマにしたものも多いローズ、ジャスミン、ピオニークロエ オードパルファム
オリエンタルスパイスや甘い樹脂を思わせる、温かくエキゾチックな香りバニラ、アンバー、スパイスフレデリック マル ムスク ラヴァジュール
シプレ柑橘に、オークモス(苔)やウッディな香料を合わせた香り柑橘、オークモス、木の香料クロエ ノマド
フゼア柑橘に、ラベンダーなどのハーブとクマリンを合わせた香り。男性向けに多いラベンダー、柑橘、クマリントミー ヒルフィガー トミー
グリーン刈ったばかりの草や葉、茎のような青々とした香り草や葉の香り(グリーンノート)バイレード ラ チューリップ
フルーティーりんごや洋梨、桃などのジューシーな果物の香りりんご、洋梨、桃ジョー マローン ロンドン イングリッシュ ペアー & フリージア
アクアティックみずみずしく、水や湿り気を感じさせる香り。マリンとも呼ぶマリンノートラバンヌ インビクタス
パウダリックやわらかく、おしろいのような粉っぽさのある香りアイリス、ムスクサンタ・マリア・ノヴェッラ ムスキオ オーロ
スパイシーペッパーやクローブ、カルダモンなど、ぴりっとした辛さのある香りペッパー、クローブ、カルダモンイヴ・サンローラン ベビーキャット
ウッディいろいろな木の香りを重ねた、落ち着いた温かみのある香りサンダルウッド、シダーウッドル ラボ サンタル 33

お菓子のような甘い香りを「グルマン」と呼ぶこともあります。協会の分類にはない呼び方ですが、バニラやキャラメルを使った香水によく使われます。甘い香りは「バニラの香水」の特集でも探せます。

NAGORIKAの香水に多い系統は?

NAGORIKAに載っている香水のうち、系統の分類がある377本を数えると、いちばん多いのはフローラルで、半分近くの香水に入っていました。次いでウッディ、シトラス、フルーティーが続きます。

系統ごとの香水の本数(1本が複数の系統に入ることがある)

NAGORIKAの香水データ(2026年10月30日時点)で、系統の分類がある377本を数えた結果。オリエンタルは、近い意味の「アンバー」で分類された香水も合わせています。

棒を押すと、その系統に近い香水の一覧に移ります。フゼアは男性用の代表的な系統として挙げられる香りで、NAGORIKAに載っている香水では少数です。

系統ごとの特徴と、代表的な香水

日本フレグランス協会は、女性用の代表的な系統としてシトラス・フローラル・オリエンタル・シプレを、男性用としてシトラス・フゼア・オリエンタル・シプレを挙げています。カードの小さなボトルは、その系統に入るNAGORIKAの香水です。

  • シトラス

    伝統的なオーデコロンと同じ、柑橘を中心にしたさわやかな香り。性別を問わず使え、梅雨から夏の湿気の多い季節に合う系統とされています。

    イソップ タシット・ロクシタン ヴェルヴェーヌ[ヴァーベナ]・アクア ディ パルマ コロニア クラブ
  • フローラル

    ローズやジャスミンなど、花の香料が主役の香り。1つの花をテーマにしたものから、何種類もの花を束ねたものまで幅があります。

    クロエ オードパルファム・ディオール ミス ディオール ブルーミング ブーケ・アクア ディ パルマ マグノリア ノービレ
  • オリエンタル

    スパイスやバニラ、アンバーを思わせる、温かく甘い香り。バニラの香りの合成香料バニリンが、深みと甘さを出すのに欠かせません。

    フレデリック マル ムスク ラバジュール・イヴ・サンローラン ベビーキャット・プラダ キャンディ
  • シプレ

    柑橘に、オークモス(苔)と木の香料を合わせた、落ち着いた深みのある香り。花を重ねたものは、シプレ・フローラルと呼ばれます。

    シャネル チャンス・クロエ ノマド・ディオール ミス ディオール
  • フゼア

    柑橘にラベンダーなどのハーブと、甘い香りのクマリンを合わせた香り。男性向けの香水に多い系統です。

    TOMMY HILFIGER Tommy・ディオール ソヴァージュ オー フォルト
  • ウッディ

    サンダルウッドやシダーウッドなど、木の香りが中心。秋冬に合う、落ち着いた温かみがあります。

    ル ラボ サンタル 33・バイレード モハーヴェゴースト
  • グリーン

    草や葉、茎の青々しさを感じる香り。花と合わせると、摘みたての花束のようなみずみずしさが出ます。

    バイレード ラ テュリップ・ランバン エクラ・ドゥ・アルページュ
  • フルーティー

    洋梨や桃、ベリーなど果物の甘酸っぱさが主役の香り。明るく親しみやすい印象です。

    ジョー マローン ロンドン イングリッシュ ペアー & フリージア・ロクシタン チェリーブロッサム
  • アクアティック

    水辺や海風のような、みずみずしく湿り気を感じさせる香り。マリンとも呼ばれます。

    ラバンヌ インビクタス・メゾン マルジェラ ウェン ザ レイン ストップス
  • パウダリック

    アイリスやムスクの、おしろいのようにやわらかい粉っぽさ。清潔感のある、やわらかな香りです。

    サンタ・マリア・ノヴェッラ Muschio Oro・サンタ・マリア・ノヴェッラ フリージア
  • スパイシー

    ピンクペッパーやカルダモン、クローブのぴりっとした香り。NAGORIKAの香水でも、ほとんどが花や木など、ほかの系統と組み合わさっています。

    イヴ・サンローラン ベビーキャット・アトキンソン 1799 44 Gerrard Street

シプレ・フゼア・オリエンタルとは?名前だけでは分かりにくい3つの系統

  • シプレ:柑橘に、オークモス(木に生える苔)とウッディな香料を合わせた系統です。明るい始まりのあとに、しっとりした落ち着きが続くのが特徴です。NAGORIKAではシャネル チャンス オードゥ パルファム、ラストにオークモスが入るクロエ ノマド、ディオール ミス ディオール オードゥ パルファンなどを、花の香りを重ねたシプレ・フローラルに分類しています。
  • フゼア:名前はフランス語で植物の「シダ」のこと。1882年にウビガンが出した「フジェール ロワイヤル」(現在は販売終了)が、合成香料のクマリンにラベンダーなどを合わせた香りで評判になり、同じタイプの香りをフゼアと呼ぶようになりました。例はトミー ヒルフィガー トミーやディオール ソヴァージュ オー フォルトです。
  • オリエンタル:中近東のスパイスや、動物由来の香料を思わせる、温かくエキゾチックな系統です。1889年のゲラン「ジッキー」に使われたバニリンは、今もオリエンタルの甘さと深みに欠かせない香料とされています。NAGORIKAの香水データでは、この系統に近い香りを「アンバー」の名前で分類しているものが多くあります。

シプレやフゼアに欠かせないオークモスは、オークモスの香水の一覧から探せます。ラベンダーが入った香水はラベンダーの香水にまとめています。

系統の特徴が分かりやすい香水6本

系統ごとに、その系統らしさをつかみやすい香水を1本ずつ選びました。ノートは各ブランドの公表によります。

イソップ

タシット オードパルファム

Tacit Eau de Parfum

ゆずとハーブの青い爽やかさ服につけると長持ち

シトラス:ユズとハーブの、甘さを抑えた柑橘

トップはユズの皮のような明るい苦みに、バジルとクローブが重なります。ミドルにローズマリーやミント、ラストはシダーウッドとベチバー、アンバーが乾いた草木のように残ります。柑橘の明るさとハーブの青さが中心で、甘い香りより、すっきりした香りが好きな人がシトラスの系統を知るのに向いた1本です。

さっぱりした印象ウッドの落ち着き花の香りが中心
この香水の有名人中村倫也チェヨン(TWICE)

クロエ

オードパルファム

Eau de Parfum

柔軟剤っぽい清潔なローズ。よく聞かれる定番

フローラル:ピオニーとローズの、まっすぐな花

トップのピオニーから、ミドルのローズの花びらとマグノリアへ移る、花の香料が主役の組み立てです。ラストのシダーウッドとアンバーグリスが清潔なぬくもりを残します。いろいろな花をみずみずしく束ねた香りで、フローラルの系統の基本の形がよく分かります。花の香りをまっすぐ楽しみたい人に。

ウッドの落ち着き花の香りが中心穏やかで落ち着く
この香水の有名人渡辺直美吉田朱里大谷映美里(=LOVE)

フレデリック マル

ムスク ラバジュール

Musc Ravageur・Eau de Parfum

シナモンが効いた甘いムスク。肌で試してから決める

オリエンタル:アンバーとバニラの、温かな甘さ

トップの柑橘とラベンダーのあと、アンバー、バニラ、ムスクの温かく甘い香りがすぐに広がります。ラストはサンダルウッドとムスクが濃く残ります。スパイスや樹脂、バニラで深みを出すオリエンタル(アンバー)の系統を、もっとも分かりやすく感じられる香りの1つです。秋冬や夜に、甘く大人っぽい香りを楽しみたい人に。

ウッドの落ち着き穏やかで落ち着く温かみのある奥行き
この香水の有名人ディノ(SEVENTEEN)ニンニン(aespa)

シャネル

チャンス オードゥ パルファム

Chance Eau de Parfum

胡椒がピリッと華やかな花が続くしっかり長く香る

シプレ:花とパチョリが重なる、華やかな深み

ピンクペッパーのぴりっとした始まりから、ミドルのジャスミンとアイリスの華やかな花へ。ラストはパチョリ、ムスク、バニラが温かく残ります。NAGORIKAではシプレ・フローラルに分類している香水で、花の明るさと、パチョリの落ち着いた深みの両方を楽しめます。花の香りに、大人っぽさを足したい人に。

ウッドの落ち着き花の香りが中心穏やかで落ち着く
この香水の有名人カルメン(Hearts2Hearts)ステラ(Hearts2Hearts)

TOMMY HILFIGER

Tommy

Eau de Toilette

青りんごみたいなさっぱり爽やか男女どっちでも

フゼア:ラベンダーとミントに、りんごの明るさ

トップにラベンダー、ミント、ベルガモット、グレープフルーツが並ぶ、青くさわやかな始まりです。ミドルはりんごとクランベリーの甘酸っぱさ、ラストはパチョリやアンバーに落ち着きます。柑橘とラベンダーを軸にしたフゼアの系統に、果物の明るさを足した香りで、男性向けの定番の系統を気軽に試せます。

さっぱりした印象柑橘のさわやかさ果物の香り
この香水の有名人櫻井翔(嵐)

ル ラボ

サンタル 33

Santal 33・Eau de Parfum

乾いた白檀に革っぽさが重なる。持ちはとにかく長い

ウッディ:サンダルウッドとシダーの、乾いた木

カルダモンの涼しいスパイスで始まり、サンダルウッドとシダーウッド、パピルスの乾いた木の香りが広がります。アイリスとムスクがなめらかさを添え、最後まで木の香りが中心に残ります。いろいろな木の香りを重ねたウッディの系統を、そのまま感じられる1本です。落ち着いた香りを性別を問わず使いたい人に。

ウッドの落ち着き穏やかで落ち着く性別を問わず使いやすい
この香水の有名人鎮西寿々歌(FRUITS ZIPPER)上杉柊平ヒョナ石井美里ほか9人

好きな系統から香水を探すには

  1. 今持っている香水の系統を調べる:香水のページで、香りの説明と主な香料を見ます。ラストに残る香料が、その香水の系統を決めていることが多くあります。
  2. 同じ系統の香水を一覧で見る:花・柑橘・ウッディ・温かみのある香りなど、香りのタイプで香水一覧を絞り込めます。
  3. 系統が決まらないときは診断から:好きな匂いや甘さの好みに答える香り診断で、合いそうな系統を出せます。

系統の次は、香りが時間とともにどう変わるかを知っておくと、選ぶときに迷いにくくなります。「トップノート・ミドルノート・ラストノートとは」と、はじめての1本の選び方をまとめた「香水の選び方」もどうぞ。

よくある質問

香水の系統と香調は同じ意味ですか?
ほぼ同じ意味で使われます。どちらも香りのタイプによる分け方で、日本フレグランス協会は香料会社の分類(Olfactive Family)を香調と訳して紹介しています。
シプレ系とはどんな香りですか?
柑橘に、オークモス(苔)と木の香料を合わせた、落ち着いた深みのある香りです。花の香りを重ねたものはシプレ・フローラルと呼ばれます。
フゼアとはどんな香りですか?
柑橘に、ラベンダーなどのハーブと、甘い香りのクマリンを合わせた香りです。男性向けの香水に多い系統で、1882年の「フジェール ロワイヤル」が始まりとされています。
いちばん人気の系統はどれですか?
NAGORIKAに載っている香水では、系統の分類がある377本のうち193本がフローラルで、いちばん多い系統でした。次いでウッディ、シトラス、フルーティーが多く入っています。

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