シトラス:ユズとハーブの、甘さを抑えた柑橘
トップはユズの皮のような明るい苦みに、バジルとクローブが重なります。ミドルにローズマリーやミント、ラストはシダーウッドとベチバー、アンバーが乾いた草木のように残ります。柑橘の明るさとハーブの青さが中心で、甘い香りより、すっきりした香りが好きな人がシトラスの系統を知るのに向いた1本です。
香水の基礎
更新 6本を紹介

この記事の香りの傾向
香水の系統(香調)とは、香りのタイプによる分け方のことです。日本フレグランス協会の分類では、主な系統はシトラス・フローラル・オリエンタル・シプレ・フゼアの5つで、ほかにグリーン・フルーティー・アクアティック・パウダリック・スパイシー・ウッディがあります。
この記事では、11の系統の特徴を早見表にまとめ、NAGORIKAに載っている香水377本を系統ごとに数えた結果と、系統ごとの代表的な香水を紹介します。好きな香水の系統が分かると、次の1本を探しやすくなります。
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系統は、香水を「どんな香りか」でグループに分けたものです。香料会社や化粧品メーカーによって分け方はさまざまで、日本フレグランス協会は、ドイツの香料会社シムライズの分類(Olfactive Family=香調)を参考に、日本向けに整理しています。
1本の香水が、1つの系統だけに入るとは限りません。たとえば「フローラル・ウッディ」のように、花の香りに木の香りを重ねた香水は、2つの系統にまたがります。商品ページで「フローラル系」「シプレ系」と書かれていたら、その香水のいちばん大きな特徴だと考えると分かりやすくなります。
| 系統 | どんな香りか | よく使われる香料 | 例になる香水 |
|---|---|---|---|
| シトラス | レモンやオレンジなど、柑橘のさわやかな香り。性別を問わず使いやすい | レモン、ベルガモット、オレンジ | イソップ タシット |
| フローラル | 花の香料を中心にした香り。特定の花をテーマにしたものも多い | ローズ、ジャスミン、ピオニー | クロエ オードパルファム |
| オリエンタル | スパイスや甘い樹脂を思わせる、温かくエキゾチックな香り | バニラ、アンバー、スパイス | フレデリック マル ムスク ラヴァジュール |
| シプレ | 柑橘に、オークモス(苔)やウッディな香料を合わせた香り | 柑橘、オークモス、木の香料 | クロエ ノマド |
| フゼア | 柑橘に、ラベンダーなどのハーブとクマリンを合わせた香り。男性向けに多い | ラベンダー、柑橘、クマリン | トミー ヒルフィガー トミー |
| グリーン | 刈ったばかりの草や葉、茎のような青々とした香り | 草や葉の香り(グリーンノート) | バイレード ラ チューリップ |
| フルーティー | りんごや洋梨、桃などのジューシーな果物の香り | りんご、洋梨、桃 | ジョー マローン ロンドン イングリッシュ ペアー & フリージア |
| アクアティック | みずみずしく、水や湿り気を感じさせる香り。マリンとも呼ぶ | マリンノート | ラバンヌ インビクタス |
| パウダリック | やわらかく、おしろいのような粉っぽさのある香り | アイリス、ムスク | サンタ・マリア・ノヴェッラ ムスキオ オーロ |
| スパイシー | ペッパーやクローブ、カルダモンなど、ぴりっとした辛さのある香り | ペッパー、クローブ、カルダモン | イヴ・サンローラン ベビーキャット |
| ウッディ | いろいろな木の香りを重ねた、落ち着いた温かみのある香り | サンダルウッド、シダーウッド | ル ラボ サンタル 33 |
お菓子のような甘い香りを「グルマン」と呼ぶこともあります。協会の分類にはない呼び方ですが、バニラやキャラメルを使った香水によく使われます。甘い香りは「バニラの香水」の特集でも探せます。
NAGORIKAに載っている香水のうち、系統の分類がある377本を数えると、いちばん多いのはフローラルで、半分近くの香水に入っていました。次いでウッディ、シトラス、フルーティーが続きます。
NAGORIKAの香水データ(2026年10月30日時点)で、系統の分類がある377本を数えた結果。オリエンタルは、近い意味の「アンバー」で分類された香水も合わせています。
棒を押すと、その系統に近い香水の一覧に移ります。フゼアは男性用の代表的な系統として挙げられる香りで、NAGORIKAに載っている香水では少数です。
日本フレグランス協会は、女性用の代表的な系統としてシトラス・フローラル・オリエンタル・シプレを、男性用としてシトラス・フゼア・オリエンタル・シプレを挙げています。カードの小さなボトルは、その系統に入るNAGORIKAの香水です。
伝統的なオーデコロンと同じ、柑橘を中心にしたさわやかな香り。性別を問わず使え、梅雨から夏の湿気の多い季節に合う系統とされています。
イソップ タシット・ロクシタン ヴェルヴェーヌ[ヴァーベナ]・アクア ディ パルマ コロニア クラブローズやジャスミンなど、花の香料が主役の香り。1つの花をテーマにしたものから、何種類もの花を束ねたものまで幅があります。
クロエ オードパルファム・ディオール ミス ディオール ブルーミング ブーケ・アクア ディ パルマ マグノリア ノービレスパイスやバニラ、アンバーを思わせる、温かく甘い香り。バニラの香りの合成香料バニリンが、深みと甘さを出すのに欠かせません。
フレデリック マル ムスク ラバジュール・イヴ・サンローラン ベビーキャット・プラダ キャンディ柑橘に、オークモス(苔)と木の香料を合わせた、落ち着いた深みのある香り。花を重ねたものは、シプレ・フローラルと呼ばれます。
シャネル チャンス・クロエ ノマド・ディオール ミス ディオール柑橘にラベンダーなどのハーブと、甘い香りのクマリンを合わせた香り。男性向けの香水に多い系統です。
TOMMY HILFIGER Tommy・ディオール ソヴァージュ オー フォルトサンダルウッドやシダーウッドなど、木の香りが中心。秋冬に合う、落ち着いた温かみがあります。
ル ラボ サンタル 33・バイレード モハーヴェゴースト草や葉、茎の青々しさを感じる香り。花と合わせると、摘みたての花束のようなみずみずしさが出ます。
バイレード ラ テュリップ・ランバン エクラ・ドゥ・アルページュ洋梨や桃、ベリーなど果物の甘酸っぱさが主役の香り。明るく親しみやすい印象です。
ジョー マローン ロンドン イングリッシュ ペアー & フリージア・ロクシタン チェリーブロッサム水辺や海風のような、みずみずしく湿り気を感じさせる香り。マリンとも呼ばれます。
ラバンヌ インビクタス・メゾン マルジェラ ウェン ザ レイン ストップスアイリスやムスクの、おしろいのようにやわらかい粉っぽさ。清潔感のある、やわらかな香りです。
サンタ・マリア・ノヴェッラ Muschio Oro・サンタ・マリア・ノヴェッラ フリージアピンクペッパーやカルダモン、クローブのぴりっとした香り。NAGORIKAの香水でも、ほとんどが花や木など、ほかの系統と組み合わさっています。
イヴ・サンローラン ベビーキャット・アトキンソン 1799 44 Gerrard Streetシプレやフゼアに欠かせないオークモスは、オークモスの香水の一覧から探せます。ラベンダーが入った香水はラベンダーの香水にまとめています。
系統ごとに、その系統らしさをつかみやすい香水を1本ずつ選びました。ノートは各ブランドの公表によります。
シトラス:ユズとハーブの、甘さを抑えた柑橘
トップはユズの皮のような明るい苦みに、バジルとクローブが重なります。ミドルにローズマリーやミント、ラストはシダーウッドとベチバー、アンバーが乾いた草木のように残ります。柑橘の明るさとハーブの青さが中心で、甘い香りより、すっきりした香りが好きな人がシトラスの系統を知るのに向いた1本です。
フローラル:ピオニーとローズの、まっすぐな花
トップのピオニーから、ミドルのローズの花びらとマグノリアへ移る、花の香料が主役の組み立てです。ラストのシダーウッドとアンバーグリスが清潔なぬくもりを残します。いろいろな花をみずみずしく束ねた香りで、フローラルの系統の基本の形がよく分かります。花の香りをまっすぐ楽しみたい人に。
オリエンタル:アンバーとバニラの、温かな甘さ
トップの柑橘とラベンダーのあと、アンバー、バニラ、ムスクの温かく甘い香りがすぐに広がります。ラストはサンダルウッドとムスクが濃く残ります。スパイスや樹脂、バニラで深みを出すオリエンタル(アンバー)の系統を、もっとも分かりやすく感じられる香りの1つです。秋冬や夜に、甘く大人っぽい香りを楽しみたい人に。
シプレ:花とパチョリが重なる、華やかな深み
ピンクペッパーのぴりっとした始まりから、ミドルのジャスミンとアイリスの華やかな花へ。ラストはパチョリ、ムスク、バニラが温かく残ります。NAGORIKAではシプレ・フローラルに分類している香水で、花の明るさと、パチョリの落ち着いた深みの両方を楽しめます。花の香りに、大人っぽさを足したい人に。
フゼア:ラベンダーとミントに、りんごの明るさ
トップにラベンダー、ミント、ベルガモット、グレープフルーツが並ぶ、青くさわやかな始まりです。ミドルはりんごとクランベリーの甘酸っぱさ、ラストはパチョリやアンバーに落ち着きます。柑橘とラベンダーを軸にしたフゼアの系統に、果物の明るさを足した香りで、男性向けの定番の系統を気軽に試せます。
ウッディ:サンダルウッドとシダーの、乾いた木
カルダモンの涼しいスパイスで始まり、サンダルウッドとシダーウッド、パピルスの乾いた木の香りが広がります。アイリスとムスクがなめらかさを添え、最後まで木の香りが中心に残ります。いろいろな木の香りを重ねたウッディの系統を、そのまま感じられる1本です。落ち着いた香りを性別を問わず使いたい人に。
系統の次は、香りが時間とともにどう変わるかを知っておくと、選ぶときに迷いにくくなります。「トップノート・ミドルノート・ラストノートとは」と、はじめての1本の選び方をまとめた「香水の選び方」もどうぞ。
系統の名前と特徴は、日本フレグランス協会の資料(シムライズの分類をもとにした香調の分類)を2026年11月3日に確認してまとめました。系統ごとの本数は、NAGORIKAの香水データ(2026年10月30日時点)で系統の分類がある377本を数えた結果です。例に挙げた香水のノートは、各ブランドの公表によります。 情報の追加・訂正はお問い合わせからお知らせください。